便利なWeb系オープンソースをまとめました
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便利なWeb系オープンソース
Web上には、無償とは思えないほど優れたオープンソースのソフトウェアがたくさん公開され、その数はますます増えつつあります。柔軟性が高くてカスタマイズも自在。ビジネスレベルで十分に使える優れた機能を持っています。
今回は、使いやすくて高機能な、おすすめオープンソースソフトウェアをご紹介します。
■CMS
WordPress
最も有名なCMSがWordPress。CMS市場でシェア率60%と言われており、世界中のWebサイトで利用されています。
開発者のコミュニティも活発で、日々優れたプラグインやデザイン性に優れたテーマが公開されています。プラグインを利用すれば、ブログだけでなく会員サイトやECサイトの構築も簡単。欲しい機能は全てプラグインで揃う、と言っても過言ではありません。
多くの人が利用している分、日本語のドキュメントやサポートフォーラムが充実していることも大きなメリットです。
baserCMS
cakePHPをベースにした国産CMSです。当然ですが、使い方やコミュニティも全て日本語のため、導入が非常に簡単で初心者にも使いやすいです。
ユーザーフォーラムだけでなく開発用のガイドも用意されており、サポート体制も万全。ツイッターとの連携やメールフォームの設置なども簡単にできる基本機能が搭載されています。
MODX
軽量動作が特徴的なCMSで、ユーザー登録不要で使用できます。
テンプレートとサイトの構造が関連づけられていないため、デザインの自由度が非常に高く、デザインにこだわりたい人におすすめです。日本語公式サイトやフォーラムがあるので導入も簡単。オンライン上で直感的にサイトを構築できるMODX Cloudも無料で提供されています。
Joomla!
ホームページを作成するための全ての機能を備えており、世界の多くの企業や行政機関が利用しています。テンプレートも豊富、標準でレスポンシブデザインにも対応しています。また、管理画面が使いやすく、テンプレートや拡張機能も無料でダウンロード可能。初心者にも使いやすいCMSです。
Soy CMS
国産CMSなので使い勝手がよく、拡張性・カスタマイズ性にも優れています。連携ツールとして、本格的なショッピングカートシステム「Soy shop」とお問い合わせ管理や簡単な販売管理などの機能を利用できる「Soy APP」も提供。ECサイトやポータルサイトなど幅広く使えるマーケティングプラットフォームです。
OpenPNE
日本企業が開発している国産のSNS構築ソフトウェア。あしあとや日記、コミュニティなどの機能が搭載され、mixiのようなSNSサイトを作ることができます。地域やサークルのコミュニケーションツール、会社のグループウェアなど、様々な組織に応じたサイトづくりができ、数々の企業や大学などで利用されています。
XOOPS Cube
ユーザー参加型のコミュニティサイトを手軽に立ち上げることができるCMS。IDとパスワードを入力する会員専用ページの作成も簡単にできます。イベントの申し込み受付や、参加型・双方向授業を実現するモジュールなども無償で多数提供されており、本格的なコミュニティサイトを構築したい方におすすめです。
Medeia Wiki
https://www.mediawiki.org/wiki/MediaWiki/ja
もともとWikipediaで使用するために書かれたオープンソースで、複数人で記事の投稿・編集ができるウィキサイトを誰もが作成することができます。HTMLの知識は必要なく、簡単な専用のwiki文法を覚えればOK。大量のアクセスにも耐えられるシステム設計になっており、情報共有サイトを作成したい人におすすめです。
■ECサイト構築
自社サーバーにECサイトを構築すると、ショッピングモールを利用するより独自性の高いマーケティングを行うことができます。中でも、オープンソースのプラットフォームはライセンス費用がかからないため、自社に技術者がいる場合はコストを抑えてECサイトを運営することができます。
EC-CUBE
ECサイト構築においては国内シェアNo.1のオープンソース。開発者が多いため、バージョンアップも早く、サイト構築だけでなく決済や広告、物流といった周辺サービスとも密に連携。便利な機能がどんどん追加されています。コミュニティも充実しており、将来性のあるプラットフォームです。
cs.cart
他言語、多通貨、海外決済会社に標準で対応。海外取引に強く、多くのWeb制作会社でも利用されるプロ御用達のECサイト構築プログラムです。オープンソースの他、有料のパッケージプランとサーバープランがあり、サポートを受けることもできます。
osCommerce
ECサイト構築に必要な機能を揃えたドイツ製のオープンソース。日本語版の開発も行われており、日本語版サポートサイトもあります。特徴的なのは、通貨や言語など、海外対応が可能である点。海外との取引が多い場合におすすめです。osCommerceから派生した高機能なZencartもありますが、こちらは日本語版公式サイトの更新が2015年で止まっています。
■販売管理
小売業や卸売業、製造業で生産性向上を図るために不可欠な販売管理。有償のパッケージソフトが多数販売されていますが、サポート費用もかかり高額になってしまいます。オープンソースで利用できればコストの削減に大きく貢献できます。
SalesCube
http://www.ark-info-sys.co.jp/jp/product/salescube/index.html
販売管理システムを構築できるオープンソース。在庫管理や受発注、入出金まで管理でき、外貨にも対応した優れものです。大手企業でも導入実績があり、自社に合わせてカスタマイズすれば市販されている販売管理システムよりも使い勝手の良いソフトウェアになるはずです。
■顧客管理
どんなビジネスにも書かせないのが顧客管理。顧客管理システムは、ただ単に顧客の情報を収集・管理するだけではなく、顧客との関係性をより深くするための管理ソフトです。外出先でも情報を管理できるよう、クラウドサービスを利用する企業が増えていますが、無償で利用できるオープンソースの顧客管理は、システム導入にあたって一度検討する価値があります。
Sugar CRM
顧客管理や商談管理などの機能を中心に、マーケティング、グループウェア、レポート・分析など多彩な機能が標準で搭載されてる顧客関係管理ソフトウェア。有償版もありますが、無償でも非常に高機能で、世界で1万以上の企業で採用されています。
■動画配信
動画配信にはYouTubeを利用するのが一般的ですが、CMなど入れたくない要素が入り込むことがあります。自社サーバーの独自プレーヤーを使うことで制限なしに、自由度の高い動画配信ができます。また、動画を外部のサーバーにアップロードすることなく独自コンテンツを配信できるという安心感があります。
Kaltura
すでに多くのメディアや企業で利用されている動画配信専用のプラットフォーム。動画の編集・配信やプレーヤーのカスタマイズの他、視聴分析やレポーティング、広告配信もできます。課金型の動画配信や会員制のEラーニングなど、動画を使ったビジネスにも利用できます。
■オンライン会議システム
遠隔地での会議や研修を可能にするオンライン会議システム。少人数であればSkypeなどを利用することもできますが、複数人での会議にはIDやアカウントが必要ないシステムが便利です。また、外部のシステムを使いたくないという場合にもおすすめです。
BigBlueButton
動画の配信やリアルタイムのプレゼンテーション・チャット機能などを搭載。最大25人が参加でき、1対1のコミュニケーションにも使えます。日本語でのサポート情報はあまり充実していませんが、これほどの会議システムを無料で利用できるというのは大きなメリットです。
このように、オープンソースでも非常に高機能で便利なソフトウェアが多数あります。特にCMSは非常にたくさん提供されており、どれを選択すればいいのか迷うほどです。
機能の良し悪しだけではなく、自社の業務や更新状況に合ったソフトを選ぶことが大切です。何より、サポートや開発が打ち切りになってしまうのが最も大きな不安要素なので、安定性や信頼性の高いオープンソースを選ぶことをおすすめします。