主要なSNSとそれぞれの利用率を紹介します。
ICTマーケティング・市場調査を行うICT総研の調査によると、日本のSNS利用者は右肩上がりを続けており、2016年末で6,872万人、2018年末には7,486万人にまで拡大すると言われています。
では、どのようなSNSがよく利用されていて、その市場は今後はどのように成長していくのでしょうか。
各社バラツキがありますが、総務省が2016年8月に発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を中心に、各SNSの利用状況を見ていきたいと思います。
LINE
様々なSNSの中でも群を抜いてトップに立ったのが、LINE。平成27年度は、日本国民の半数を軽く超える60.6%もの人がLINEを使用しているという結果になっています。ICT総研の調査によると利用満足度も高く、利用者や利用時間も増加傾向にあるようです。
今や、電話やメールに代わるコミュニケーションツールとして幅広い世代で利用されています。
企業や店舗によるLINEでのアプローチも増えています。ユーザーに直接メッセージを配信するだけでなく、タイムラインへの最新情報の投稿やビジネス向けの広告宣伝ツール「LINE@」の利用など、単なるメッセージツールにとどまらない、広告媒体としての成長が今後も見込まれます。
Facebookの利用率は32.5%、国内月間アクティブユーザー数は2016年9月時点で2,600万人となりました。若者のFacebook離れが指摘されていますが、確かに、23.0%と10代の利用はツイッターと比べると半数以下になっており、平成26年度の25.0%と比較すると減少しています。ただ、平成25年度(22.3%)と比較すると若干増加、全年代で見ても年々利用率は増え続けており、まだ注目するべきSNSと言えるでしょう。
特に、世界的に見ると約16億人がFacebookを利用しているとされており、これは他のSNSと比較しても圧倒的多数です。企業利用も多く、年齢や地域からユーザー属性を把握して広告配信ができ、シェアによる拡散効果も高いです。
今後もユーザーにアプローチする上で外せないツールとなるでしょう。
Twitterの利用率は26.5%で、2016年9月時点の月間アクティブユーザー数は4,000万人に達しました。特に10代(63.3%)と20代(54.8%)での利用が高いのが特徴です。短文で投稿できる手軽さと、リツイートによる拡散、2015年には動画もアップできるようになり、利用の幅が広がっています。Yahoo!と連携している「リアルタイム検索」では、話題になっている最新の情報がどんどん流れ、ニュースでも取り上げられるほど多くの人がツイートをしています。
世界全体で見ると利用増加ペースはやや緩やか。その中にあって、日本の利用率は2011年から比較して5倍以上も伸びており、世界一の増加率に。コンテンツ量が小さいので、広告発信においても読みやすく拡散しやすい、企業も発信しやすいというメリットがあります。
先の3つのSNSと比較すると、インスタグラムの利用率は全年代で14.3%と高くはありませが、利用者数は1,000万人を突破しています。また10代に限ればFacebookよりも利用率が高く、特にファッションに興味がある女性を中心に利用者が急増しています。撮影した写真をインスタグラム内で加工し、おしゃれに見せられるのが人気の理由。ICT総研の調査では、アプリの利用時間はLINEに次いで増加傾向にあり、満足度もLINEとほぼ同じ77.8と高いポイントを記録しました。
世界的に見ると、利用者数は2016年6月時点で6億人とされており、右肩上がりで増加し続けています。2016年8月には、ビジネスプロフィール」「インスタグラムインサイト」「投稿の宣伝」といったビジネス向けの機能の提供を開始し、今後のビジネスへの活用が大いに期待できます。
Snapchat
2016年に人気が急上昇したのがSnapchat。撮った写真や動画を加工してそのままチャットで送り、1~10秒の間に消え、コンテンツを投稿する「マイストーリー」は24時間で消えてしまうという気軽さから、10代~20代の女性の間で大人気です。国内利用者数の正確なデータは出ていませんが、全世界の日間アクティブユーザーが2016年6月に1億5,000万人を突破しました。
海外では数年前からすでに企業のマーケティングツールとして利用されており、スライドの間に短い動画広告をはさめるほか、企業限定のレンズ配信などができ、オリジナリティのあるブランディングが可能です。
Snow
こちらも、2016年に大流行し、若い女性を中心に爆発的な人気を誇っています。公式のデータはありませんが、Marketing Research Campの自主調査レポート(https://marketing-rc.com/report/report-vanish-20161019.html)によると、利用率がSnapchatを抜いたという結果が出ました。24時間で消える「ストーリー」機能や動画消去タイマーを搭載し、スナップチャットと同様の手軽さが人気の理由。Snapchatと両方を使用し、使い分けている人もいるようで今後10代のコミュニケーションツールとして、また、マーケティングツールとして大躍進しそうです。
Facebookでは会社関係の人ともつながってしまうことがあり、日常の言動をチェックされてしまう、と10代が敬遠する傾向にあります。そこに登場したのが、SnapchatやSnow。
今後のマーケティングツールとしてチェックしておきたいアプリです。
変動の早いWebアプリの世界。常にアンテナを張って、流行をおさえておきたいですね。