SEO強化!構造化データをマークアップする「schema.org」概要
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SEO強化!構造化データをマークアップする「schema.org」概要
前回の記事「クリック率が向上する、これからのSEOに不可欠なセマンティックWebと構造化データ」でご紹介した通り、構造化データをマークアップする方法は二つあります。今回はそのうちの一つ、HTMLに直接マークアップする方法をご紹介します。
ここで紹介するのは、「schema.org」です。
schema.orgってなに?
schema.org は、ウェブ上でデータを記述する共通のボキャブラリを作成してウェブを改善するための、Google、Microsoft、Yahoo! による共同の取り組みです。
「Google Search Consoleヘルプより引用」
つまり、構造化データをマークアップするための語彙を定義し、この利用を勧めることで検索結果をより使いやすいものに改善していこうとする取り組みです。Web制作者は、schema.orgで定義されたボキャブラリを決められたルールに従って記述することで、検索エンジンにサイトのコンテンツデータを伝えることができます。
Google、Bing、Yahoo!の大手三社が共同で開発に取り組んでいるので、各検索エンジンに共通のタグセットを用いてマークアップすることができる、現在最も主流のボキャブラリと考えてよいでしょう。
schema.orgを記述するためのシンタックス
schema.orgボキャブラリは、シンタックス、つまり文法に基づいて記述します。schema.orgがサポートしているシンタックスは、いくつかあります。
- microdata
- JSON-LD
- RDFa Lite
単一ページ内には、これらのうちいずれか一つを用いて記述します。複数のシンタックスを単一ページに使用することはできません。
どのシンタックスを使えばいいの?
これまでは、microdataが最も主流なシンタックスとしてHTML5の仕様に含まれ、検索エンジン各社にも推奨されてきました。schema.orgの公式サイトでも、microdataを使った記述方法が主に掲載されています。
ですが2015年3月には、Googleのウェブマスター向け公式ブログで「JSON-LD」を使ったウェブサイト開発を勧める記事を公開しています。
Web Components と JSON-LD でウェブサイト開発がより簡単に
microdataとJSON-LD、どう違うの?
記述の方法が異なります。
- microdata
- HTMLタグ内に属性を追加します。
- JSON-LD
- JavaScriptを用いてhead内で一括指定します。
どちらも技術的にはそれほど難しいものではありません。
ですが、マークアップのしやすさ、管理のしやすさ、という点で言うと、HTMLを汚さないJSON-LDのほうがおすすめです。
しかし、JSON-LDの最大のデメリットとして、2015年5月現在、リッチスニペットに対応していない、という問題があります。現時点では今後対応するかどうかも不明です。
また、JSON-LDのもう一つのデメリットとして、コード量が多くなるということが挙げられます。コードが多く、読み込みが増えることでスマホなどでは表示に負担がかかることも考えられます。
microdataは、構造化データを追加したい単語一つひとつに対しマークアップする必要があるので、HTMLが長くなり見づらくなってしまう、また、記述が煩雑で管理しにくいというデメリットがあります。一方でリッチスニペットには対応しているので、クリック率を上げる手段として有効です。
このように、現段階ではどちらのほうが良い、とは一概には言えない状態で、サイトの管理状況を見ながら、使いやすいほうを選択することになりそうです。
そこで、ここではmicrodataとJSON-LDの二つの記述ルールについてご紹介します。
次回はまず、microdataによるマークアップ方法をご紹介します。