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電子投票システムとは

2025年11月12日

電子投票システムとは

電子投票システムとは、従来の投票用紙に記入する代わりに、電子的な手段を用いて投票を行い、その結果の集計をコンピュータで迅速かつ正確に処理する仕組み全般のことを言います。

大きく分けて、以下のような形態があります。

投票所での電子投票(e-voting)

日本の公職選挙法で規定されている「電磁的記録式投票」がこれにあたります。
投票所に設置された電子投票機(タッチパネルやボタン操作)を使って投票を行います。
投票データは電子的な記録媒体に保存され、開票所でコンピュータで集計されます。
在宅での投票ではなく、投票所に出向く必要がありますが、投票手順の簡素化、無効票の防止、バリアフリー化、開票時間の短縮などのメリットがあります。
有権者は、受付で本人確認後、投票カード(ICカードなど)を受け取り、それを投票機に差し込んで投票します。

インターネット投票(I-voting / リモートe-voting)

有権者が自宅のパソコンやスマートフォンなどからインターネット経由で投票する方式です。
海外では導入されている国もありますが、日本では公職選挙での本格的な導入は限定的です(例:在外選挙や一部の自治体での試験的な利用など)。
企業や団体の役員選挙、労働組合の選挙、学術学会の選挙、マンションの総会など、公職選挙以外の分野では広く利用されています。
場所や時間にとらわれず投票が行える利便性が大きなメリットです。
電子投票システムは、いずれの形態も正確性、迅速性、投票の秘密保持、不正防止などの要件を満たすことが重要とされています。

従来の紙投票システムの課題と電子投票システムのメリットを紹介します

従来の紙投票システム(手書きの投票用紙を使う方式)には、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらの課題を解決する手段として、近年、電子投票システムが注目されています。

紙投票システムのデメリット

紙の投票システムには、主に以下の課題があります。

運営上の非効率性と高コスト
開票作業は多くの人手と時間を要し、集計に数日かかることもあります。投票用紙の印刷、運搬、人件費など、物理的なコストも膨大です。また、手作業が主となるため、人的ミス(記入ミス、集計ミス)のリスクも避けられません。

利便性の低さと投票率の低下
投票所までの移動や時間の制約があるため、仕事や用事、身体的な理由などで投票が難しい人にとっては大きな負担となります。また、デジタルネイティブ世代にとって、紙の投票は心理的なハードルが高いと指摘されています。

投票の正確性に関する問題
候補者名が判読できない、指定欄外への記入など、有権者の意思が不明確な「無効票」や「疑問票」が発生し、票が無駄になる可能性があります。さらに、投票用紙の偽造や投票箱のすり替えなど、不正行為のリスクも完全に排除はできません。

環境への影響
投票用紙や関連資材の大量消費は、紙資源の無駄につながります。

これらのデメリットは、特に大規模な選挙や頻繁に行われる選挙において、運営側と有権者双方に大きな負担をかけています。

電子投票システムへの移行メリット

電子投票システムは、紙投票システムの課題を解決し、以下のようなメリットをもたらします。

投票の利便性向上と投票率の増加
オンライン投票の場合、スマートフォンやPCからいつでも、どこからでも投票できるため、投票所に行けない人でも気軽に投票に参加できます。

運営の効率化とコスト削減
投票データが自動で集計されるため、開票作業の時間と労力が大幅に削減されます。投票用紙の印刷・郵送費用や人件費などのコストも削減でき、業務全体が効率化されます。

バリアフリー化の実現
視覚障害者向けの音声ガイドや、手が不自由な人でも操作しやすいインターフェースなど、身体的な制約がある人でも自ら投票できる機能を提供します。

セキュリティと透明性の向上
厳格な本人確認機能やデータの暗号化により、不正投票や改ざんのリスクを低減できます。これにより、選挙結果の信頼性が高まります。

これらのメリットは、特に企業や団体の役員選挙、労働組合の選挙など、効率的な運営が求められる場面で大きな力を発揮します。一方で、国家規模の選挙での導入には、システムの安定性や国民の信頼獲得など、クリアすべき課題も残されています。

電子投票システム選びで失敗しないためのポイント

多くの企業が電子投票システムを開発・提供していますが、最適なシステムを選ぶためには、以下のポイントを重視することが重要です。

1.目的に合ったシステムを選ぶ

会社の株主総会やマンションの管理組合総会、労働組合の選挙など、投票の目的によって必要な機能やセキュリティレベルは異なります。必要な投票形式(単記、連記、賛否)や集計機能などを事前に洗い出しましょう。

2.セキュリティと信頼性を最優先する

不正投票を防ぐための厳格な本人確認機能や、データの改ざん防止機能が不可欠です。サービス提供元の実績とシステムの安定性も必ず確認してください。

3.コストパフォーマンスを考慮する

初期費用、月額費用、従量課金など、料金体系は多岐にわたります。隠れた費用がないか、複数のシステムを比較検討しましょう。また、導入や運用時のサポート体制も重要なポイントです。

4.実際の使いやすさを確認する

管理者側だけでなく、投票者が迷うことなく簡単に投票できるインターフェースかを確認します。PCやスマートフォンなど、様々なデバイスに対応しているかも重要です。

これらのポイントを事前にしっかりと比較検討することで、目的に合ったシステムを選び、円滑な選挙・投票運営を実現できます。

代表的な電子投票システム・サービス

以下に、いくつかのオンライン投票サービスを例として挙げます。

1.e投票

企業や団体、学会、労働組合などの選挙やマンション管理組合の総会に特化したクラウド型電子投票システムです。

その主な特徴は以下の通りです。

クラウド型サービス

・迅速な利用開始
ブラウザからすぐに利用できるため、専用ソフトウェアのインストールや複雑な初期設定は不要です。
・高い利便性
インターネット環境があれば、いつでもどこからでも投票やシステム管理が可能です。

豊富な機能とカスタマイズ性

・多様な投票形式
単記投票、連記投票、賛否投票など、様々な形式に対応しています。
・不正防止機能
不正投票や二重投票を防ぐための厳格な本人確認機能が充実しています。
・幅広い用途
労働組合、学会やマンション管理組合など、特定の用途に合わせたカスタマイズ版も提供されています。

コストとサポート

・明確な料金体系
投票者数に応じた料金プランが用意されており、500人までのプランであれば初期費用と年間利用料が設定されています。
・運用代行サービス
選挙業務の代行サービスも提供しており、システムの導入だけでなく、実際の運用面でもサポートを受けられます。

料金プランの例

・初期導入費用20,000円から30,000円(税別)程度
・年間利用料金50,000円から60,000円(税別)から
これらの費用は、利用する団体(労働組合、学会、マンション管理組合など)や、投票者(会員、従業員、住民など)の人数規模によって変動します。

2.SPIRAL®(スパイラル)の電子投票システム

SPIRAL®の電子投票システムは、柔軟なカスタマイズと高いセキュリティが特徴のサービスです。主な特徴は以下の通りです。

高いセキュリティ性能

SPIRAL®のシステムは、厳格なセキュリティ要件が求められる用途に適しています。不正アクセスや情報漏洩を防ぐための強固なセキュリティ機能が備わっており、公的な選挙や機密性の高い投票にも利用できる信頼性を持っています。

柔軟なカスタマイズ性

ベースとなるデータベースプラットフォーム「SPIRAL®」の柔軟性を活かし、クライアントの要望に合わせてシステムを構築できます。投票形式や本人認証の方法など、細かい部分までカスタマイズが可能です。

多様な本人認証方法

メールアドレスやSMSによる認証だけでなく、マイナンバーカードを利用した厳格な個人認証システムの実証実験も行われており、なりすまし投票を効果的に防ぐことができます。

料金体系

料金は初期費用100,000円、月額費用50,000円からとなっていますが、詳細は個別の要件によって変動するため、問い合わせが必要です。

 

その他数多くの電子投票システムがリリースされているようです。

デジ選®(京セラ)

EVS 電子投票システム(システムデザイン)

Helios Voting

  • オープンソース/Webベース
  • ホモモルフィック暗号を用いた匿名性・検証性重視
  • 学術団体などで利用可能
  • Webベースのため、不正アクセス・検証プロセスの透明性などがポイントに

Punchscan

  • オープンソース/光学スキャン+レシート式
  • E2E(End-to-End)監査可能、投票者検証性あり
  • 選挙システム競争での受賞歴あり
  • ソフトウェア独立性あり。悪意ある改変への耐性が高いが、導入コストや運用負荷が課題か

RIES(Rijnland Internet Election System)

  • オープンソース/インターネット投票
  • 過去に公式選挙で利用されたがセキュリティ上の問題あり
  • オランダで2004〜2006に使用、その後禁止
  • セキュリティ脆弱性が多数報告され、信頼性維持が困難との判断で廃止

どのシステムを選ぶかは、投票の目的、規模、予算、そして何よりもセキュリティ要件によって大きく変わります。重要な投票には、セキュリティ対策がしっかりした専門のシステムを強くお勧めします。一方、社内の意見収集などカジュアルな用途であれば、手軽なアンケートツールでも十分な場合があります。

まとめ

このように、電子投票システムは、従来の紙投票が抱える非効率性やコスト、利便性の課題を解決し、民主的な意思決定のプロセスを現代社会に合わせてアップデートする可能性を秘めています。

特に企業や団体の選挙、総会においては、業務の劇的な効率化参加率の向上という明確なメリットをもたらします。最適なシステムを選ぶには、投票の目的、規模、そして何よりもセキュリティと信頼性を最優先に比較検討することが重要です。

ぜひ、本解説が、貴組織に最適な電子投票システムを導入し、よりスムーズで、より透明性の高い運営を実現するための一助となれば幸いです。

この記事を書いたのは

技術者の集団として、みなさまの信頼に応えます。

弊社は2006年、個人でWEBデザイナーとして活動していた竹内により設立された制作会社です。当時、本人には特に独立・起業したいという野心は無く、ただ相談いただいたお客様の期待に応えるべく親身に向き合い必死に制作案件に取り組んでいました。その努力が信頼に繋がり、結果多くの企業様からホームページの制作の相談をいただくことになり現在に至ります。
創業当時の想いは社内のデザイナーにも共有され、現在もさまざまな相談内容に対して親身に向き合い期待に応えるよう、それぞれが努力を続けています。ITの進化に伴い、webを通してさまざまな情報が共有される時代になりました。
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