ページの効果測定のノウハウの紹介

A/Bテストで効果を出すためのノウハウと使えるツール5選

WebサイトやWeb広告で成果をあげるには、戦略を立てて検証し、効果測定の結果で改修を行う、というPDCAサイクルが最も大切です。この時に役立つのが、A/Bテスト。Webマーケティングを行う上で、欠かすことができない手法です。ここでは、A/Bテストの基本から成功するためのポイントや便利に使えるツールまでをご紹介します。

■そもそもA/Bテストとは何か?

A/Bテストとは、ある特定の期間に、Web広告やページの一部分にAパターンとBパターンの2種類の要素を用意して、どちらがより効果が高いかを検証することをいいます。この時、テストする要素以外の構成はAもBも同じにします。例えば、ボタンの色だけを変えて同じ場所に配置するということ。どちらのほうがCVRが高いかを検証し、効果の高かったほうを採用します。こうして部分的な改善を繰り返すことで、ページ全体の効果が高まっていきます。
2008年には、アメリカのオバマ前大統領のチャリティキャンペーンの際、A/Bテストを行なって資金寄付のCVRを40%も向上させ、200億円もの資金を集めたという有名な例もあります。

■A/Bテストのメリット・デメリット

うまくいけば大きな成果も見込めるA/Bテスト。実施する上でのメリットとデメリットとはどのようなものでしょうか。

メリット

何種類ものバナーやLPを制作して広告出稿すれば、それだけCV数は増加しますが、当然多額の制作費用や出稿費用がかかります。しかしA/Bテストは一部だけを変更し2パターンでテストをするため、制作にかかる工数や費用が少なくてすみ、比較的手軽なわりに分析次第では大きな効果を生み出すこともできます。また、便利に使えるツールも公開されているので、手軽に試すことができます。

デメリット

比較して検証を行うには、一定以上の分母が必要です。ユーザー数が少なければ、どちらのパターンが良いのかを判断することは難しいでしょう。少なくなくとも、100ユーザー以上はないと比較しづらいため、小規模のサイトには向きません。かといって、ユーザー数が多すぎても検証に時間がかかる場合があり、一概に多いから良いとも言えないところがデメリット。
また、A/Bテストを設計し、どうして結果が上がったのかを分析にするには、ある程度の知識が必要です。知識を持たずにテストをしても正しい判断ができず、効果が出るどころか改修によって逆効果になる危険性もあります。

A/Bテストで失敗しないためのポイント

ただ漫然とやるだけでは効果を測定するのが難しいA/Bテスト。実施する際には、下記のポイントを頭にいれておきましょう。

①A/Bテストを行う目的を明確に持つ

どのページをどう改善したいのか、という目的を持ってテストすることが大切です。具体的な目的もないままA/Bテストを行なっても、効果がないばかりか、無駄な改修をしてしまいCVRを下げてしまうケースもあります。「離脱率を改善したい」「バナーのクリック率をあげたい」など、集客に対する明確な課題を持っている場合に行うことをおすすめします。

②しっかり仮説を立てる

A/Bテストを効果的に行うには、どの要素をどう変更すれば変化が起きるか、という仮説を立て、テストを設計しましょう。しっかりとした仮説を立てなければ、やりっぱなしで終わってしまった、という事態に陥ってしまうことも。例えば、ボタンの色を変える、文言を追加する、というように「こうすれば改善する」という仮説を立てて検証を始めましょう。

③テスト要素は一箇所のみに

一度の検証でテストするのは一箇所だけにしましょう。テスト要素を増やしてしまうと、変化があったとしてもどの要素が影響しているのかを分析できなくなってしまいます。また、同一要素のテストにおいても、全てを丸ごと変えてしまうのではなく、色とサイズ、色と文言、画像と色、というように2~3のアイデアで試してみると分析しやすくなります。少しずつ何度も改善を繰り返すことがマーケティングを成功させる一番の近道です。

ケースで考えるA/Bテスト

うまくいけば大きな成果も見込めるA/Bテスト。実施する上でのメリットとデメリットとはどのようなものでしょうか。

・Web広告の場合

バナー広告を例に考えてみましょう。画像やキャッチコピーの入ったバナーを用意して、画像だけを変更したものとキャッチコピーだけを変更したものの2種類のテストを行います。この時、バナー以外の条件はできる限り同じにします。
つまり、
・出稿時期や出稿時間
・出稿する媒体
・ターゲット
・インプレッション
などです。
ただしWeb広告の場合は、出稿先の媒体で取り上げられているニュースや別の広告のバナーなどによって結果が左右されるため、完全に条件を一致させることは難しく、分析にも注意が必要です。

・ランディングページの場合

LPの場合も同様に、テスト要素以外はできる限り同じ条件にします。バナーをテストする場合はそのバナーだけを変更し、あとの要素は完全に同じにします。ボリュームの大きいLPであっても、「試しにこの部分も変えてみよう」とテスト要素を増やしてしまうとどこでどう効果が生まれたかが分析できなくなります。たとえ今回のテストでよい結果がでたとしても、「なぜ結果が出たのか」が分からないため、次の制作に生かすことができません。

■要素で考えるA/Bテスト

テスト要素として有効と考えられるのは、ファーストビュー、画像、見出し、ボタン、テキスト、リンク、お客様の声、フォーム項目などです。

①ファーストビュー

最初にどこをテスト要素にするか迷った時は、まずは、ユーザーが最初に目にするファーストビューの画像にするのがおすすめです。商品やサービス自体の画像にするのか、それとも人物のイメージ画像にするのか、といった大きな違いから始まり、徐々に商品の角度や人物の性別、年齢など細かな検証へと移ることができます。

②見出し、キャッチコピー

見出しやキャッチコピーをテスト要素とする場合は、ターゲットの属性や目的をしっかりと意識することが大事です。性別や年代はもちろん、収入や、自社のサービス・商品のどのような点がターゲットを引きつけているかを調査・分析し、メインとなるワードを中心に文言を作成します。

③アクションボタン

購入や資料請求、ユーザー登録などを促すアクションボタンは、少しの工夫でクリック率が変わることがあります。デザインのバランスを考えながら、対比できる色やワードを用いてユーザーの目を引き、背中を押すことがアクションボタンの役割。A/Bテストでは、ボタンの色や大きさを変更したり、コピーを「資料請求する」から「無料登録する」に変更するなどの改修がCVRの向上につながります。

④フォーム項目

お問い合わせやユーザー登録フォームの最後の「送信」ボタンを押すまでには、約7割のユーザーが離脱すると言われています。しかし、項目数や入力方式を変更するだけで改善される可能性があります。住所や電話番号までを必須にした場合と名前とメールアドレスだけのシンプルなフォームにした場合ではやはり後者のほうが送信ボタンをクリックする率は高まります。ただし、項目が簡単になるほど、実際の商品やサービスの購入意欲が低いユーザーからのアクションが増えることも事実。送信されたことを結果として捉えるのではなく、そのユーザーが実際の売り上げに繋がったかどうかまで追って分析することも大事です。

■A/Bテストに役立つツール

A/Bテストを実施する際に便利なツールをいくつかご紹介します。どれも、本番環境を触る必要がなく、簡単にテストができる優れもの。効率よくテストを実施して検証することができるので、A/Bテストを行う際はぜひ導入することをおすすめします。

1.Optimizely ウェブサイトテスト

https://www.optimizely.com/

説明画像1

アメリカのA/Bテストツールです。冒頭で述べたオバマ大統領のチャリティキャンペーンで使ったのも、このツール。MicrosoftやSONYなどの大企業も導入しています。アメリカ企業のツールですが、日本で代理店契約をしている会社があるため、サイトも日本語訳されています。
コーダーやエンジニアが不在でも、クリックだけでデザイン変更ができるビジュアルエディターを搭載し、マーケターが一人で設計できるようになっています。ヒートマップも利用でき、視覚的にWebサイトを分析することができます。

2.Visual Website Optimizer

https://vwo.com

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世界で4,500社以上、国内でも330社の企業に導入されているツールで、JavaScriptタグをサイトに埋め込むだけで、同一URLでA/Bテストができる優れもの。ヒートマップ機能が標準装備されているほか、パターンごとのコンバージョンレートを自動解析する機能も搭載されています。インドに本部を置くWingify社の製品ですが、こちらも代理店が日本にあるので、日本語版説明書を手に入れることも可能です。

3.Kaizen Platform

https://kaizenplatform.com

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A/Bテストの設計や分析、施策を、クラウドソーシングによってグロースハッカーに依頼できる国産テストツール。KPI目標値やテスト自分で考える必要がなく、ニーズにあった専門家から課題解決に向けたソリューションを提供してもらえます。UIが分かりやすいためハードルが低く、初心者やWebに関わる人材が確保できない企業におすすめです。

4.ADEBiS.

https://www.ebis.ne.jp

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全ての流入チャネルを一括管理でき、工数を削減。数値化するだけでなく、情報を編集して分析しやすく見える化してくれるので、集客のための流入施策に紐づけてコンバージョンを生み出す要因を探ることができます。これまでA/Bテストでの分析がうまくいかず逆に成果が落ちてしまった、という方も試す価値ありです。
また、導入から計測、分析、活用までをフォローアップチームがサポート。初期費用は無料なので、楽に導入できます。

5.Googleアナリティクス

https://optimize.google.com/optimize/home/

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Googleアナリティクスでも、ベーシックなA/Bテストができるツールが公開されています。以前は「ウェブテスト」という名称でしたが、こちらはサポートが終了予定で、現在は「Googleオプティマイズ」という名称でサービスが提供されています。
アナリティクスのサイトデータと連携して、改善箇所を特定できます。A/Bテストの設計や分析に関する知識のある方なら、無料で使えるGoogleアナリティクスがおすすめです。

まとめ

少しの工夫が大きな結果を生み出すこともあるWebサイト。だからこそマーケティングをしっかりと行い、検証と改善を繰り返していくことが大切です。
ぜひA/Bテストを行なって、サイトの改善につなげていただきたいと思います。