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Google アナリティクス4は何が違う︖いつ導入すべき︖

Google アナリティクス4は何が違う︖いつ導入すべき︖

Web マーケティングの分析に不可欠なツールとして広く知られているGoogle アナリティクス(GA)。
その最新バージョンのGoogle アナリティクス4(GA4)が、2020 年10 月に大幅なアップデートとともにリリースされまし
た。
Google アナリティクスの最新バージョンという位置付けながら、もはや全く別物の解析ツールと言ってもいいほどの変貌を遂
げています。
この記事では、GA4について気になってはいるものの、まだよく知らないという方に向けて、GA との違いやGA4 を導入すべ
き時期、使うべきポイントについて解説します。

1.Google アナリティクス4(GA4)とは︖

Google アナリティクス(GA)は、Google から2005 年にリリースされた無料のアクセス解析ツールです。
そして、最新バージョンとしてリリースされたのが、Google アナリティクス4(GA4)こと正式名称「Google アナリティクス4
プロパティ」です。
これまでアプリとウェブを横断的にトラッキングできる「アプリ+ウェブプロパティ」がβ版として公開されてきましたが、このたび正
式版になった際にGoogle アナリティクス4(GA4)と名付けられました。
さらにGoogle の機械学習モデルを活用した予測機能や、プライバシーを重視したデータ収集機能も搭載されています。
デジタルマーケティングやSEO の分析にますます欠かせない存在となっています。
Google アナリティクス(GA)が2023 年7 月に終了すると発表されたため、web マーケターやSEO 担当者は、そのつ
もりでGoogle アナリティクス4への移行を考えておく必要があります。

2. Google アナリティクス(GA/UA)との違いは︖

Google アナリティクス4とGA との大きな違いは、ユーザーを中心にした測定が可能になったことです。
これまでのGA では、PC やスマホなどデバイスごとに測定していたため、たとえ同一ユーザーであっても、アクセスに使ったデバ
イスが異なれば、別々のユーザーとして測定されることがほとんどでした。
つまり、ユーザー行動の詳細を調べるには、正確性を欠いていたのです。
一方のGoogle アナリティクス4では、たとえば「スマホで調べた後、あらためてPC から購入」というデバイスをまたいだ行動
がとられた場合でも、同一ユーザーとして正確に把握できるようになっています。
このほかにも、機械学習の導入や自動計測の充実といった機能強化が図られています。
いずれにしても、Google アナリティクス4では、ユーザー行動を正確に計測できるようになったことが大きな進化といえます。

3. Google アナリティクス4が開発された背景

今回、Google アナリティクス4がリリースされた背景には、従来のGA が、急速に多様化してきたユーザー行動を把握しきれなくなったという問題があります。
もともとGA には、Google が2005 年に買収したアメリカのweb 解析ソリューションベンダー「Urchin SoftwareCorporations 社」のプログラム技術を用いられてきました。
しかしながら、開発された頃からも歳月が流れ、ユーザーとインターネットの関係は大きく変化してしまいました。
かつては、家族で1 台のPC を共用し、それぞれにインターネットに接続していましたが、現在では、一人ひとりがスマートフォンやPC を所有し、24 時間いつでも自由にインターネットにアクセスできるようになりました。
さらに近年急速に普及しているスマートウォッチやスマートスピーカーといったIoT デバイスの存在も変化に拍車をかけています。
このようなユーザー行動の多様化および複雑化から、ブラウザのCookie 情報だけでは正確なユーザー情報を把握しきれなくなり、web やアプリ、そしてデバイスをまたいだユーザー行動を判別する技術が必要になったのです。
つまり、ユーザーを正確に判別し、行動を測定する技術を抜本的にアップデートしたものがGoogle アナリティクス4なので
す。

4.Google アナリティクス4で根本的に変わった考え方

Google アナリティクス4は、技術的に抜本的な進化を遂げています。
ここでは、従来のGoogle アナリティクスから大きく進化したGoogle アナリティクス4の考え方について解説します。

考え方1|ユーザーを中心に考えた測定方法

Googl アナリティクス4では、クロスデバイスおよびクロスプラットフォームでの計測が可能になりました。
つまり、ユーザーが異なるデバイスやwebブラウザ、アプリをまたいで行動しても、正確に計測できるようになったのです。
デバイス情報(Cookie)やユーザーID、広告のパーソナライズによるGoogleシグナルなどの複数のID 情報を総合して、デバイスをまたがって行動したユーザー行動を把握します。
たとえば、web広告であなたのビジネスを認識したPCユーザーがのちにスマホにアプリをインストールして商品の購入にまで至ったかどうかをデータで確認できるというわけです。
従来までのGoogleアナリティクスでは、PCやスマホ・タブレットといったデバイスごとにユーザーを判別していたので、同一ユーザーが複数のデバイスを使用していた場合には、それぞれ別々のユーザーとして計測される可能性がありました。
デバイスやプラットフォームごとにユーザーを識別するのではなく、ユーザーを中心に行動測定ができるGoogle アナリティクス4は、これまでにない新しい概念をもとに開発されています。

考え方2|機械学習の導入


従来のGoogle アナリティクスでは、ユーザー行動をもとにした過去データの分析が可能でした。
さらに今回リリースされたGoogle アナリティクス4では、過去データから将来の予測ができるようになっています。
機械学習を導入したことで、アナリティクス上で予測データを導き出すことができます。

具体的な予測機能は、次の2種類です。
①購入の可能性
②離脱の可能性

①購入の可能性とは、サイトやアプリを訪れたユーザーが、今後7日間以内に購入に至る可能性を予測します。
②離脱の可能性とは、サイトやアプリを訪れたユーザーが、今後7日間以内に利用しなくなってしまう可能を予測します

参考サイト︓Google マーケティングプラットフォーム日本版ブログ「Google アナリティクスの新しい予測機能」

考え方3|自動計測の導入

GA4では、「離脱クリック」や「スクロール数」、「動画エンゲージメント」や「サイト内検索」などのイベントを自動で計測できるようになっています。
従来のGoogle アナリティクスでは、個別にタグの設定をしなければならなかったので、専門家の手を借りる必要がありました。
しかし、GA4ならアナリティクスに不慣れな方でも簡単にイベント計測が可能になります。
【注意点】
※1︓自動計測を利用するには、データストーム⇒ウェブ⇒測定強化のイベントのオプションをオンにしてください。
※2︓任意のタイミングでイベントを計測したい場合には、Google タグマネージャーやgtag.js で個別に設定してくださ
い。

考え方4|高度なデータ分析

これまで有償版にのみ搭載されていたBigQuery へのデータエクスポート機能が、今回のGoogle アナリティクス4から標準搭載されています。※BigQuery︓Google が提供するクラウド型のデータウエアハウスサービス。
Googleアナリティクス4で計測したデータをBigQuery に連携させることで、これまでにない深いデータ分析が可能になります。
【具体例】
・複数のデータを掛け合わせた複雑な分析
・様々なBI ツールの活用
・ユーザーの行動データをweb マーケティングに活用
・人工知能(AI)と機械学習によるデータモデリング
・Web マーケティングの自動化および効率化

5. Google アナリティクス4の導入時期は︖


結論から言うと、なるべく早く導入するべきですが、多忙な担当者のために期限を設けるとすれば、下記のようなスケジュールになります。

① 絶対に移行しておくべき期限︓2023 年7 月1 日まで

GA4 に絶対に移行しておくべき期限は2023 年7 月1 日までです。
従来タイプのGA のサービスが段階的に終了してしまうこともありますが、GAではこの期限以降のデータが計測されないため、それまでにGA4を導入して、計測および分析できる環境を整備しておく必要があります。
GA4 では、設定日以前のデータを蓄積しないので、この期限日までに設定しなければ、データのない空白期間ができてしまいます。
空白期間を作らないためにも、2023年7月1日までにGA4の導入を終えて、測定可能な環境を整えておきましょう。

GA とGA4 の測定値の差を確認したい場合の期限︓2023 年4月1 日まで

すでに説明してきたようにGA とGA4 とでは、そもそもの概念が異なるため、測定した数値に差が生じます。
そのため、GA4を導入して、いきなりGA からバトンタッチして計測すると、数値が昨日より上がったのか下がったのか、評価に困ってしまいます。
そうならないようにするために、最低3 ヶ月程度はGAとGA4 を並行運用して、GAとGA4との間にどれだけの差があるのかを確認することをお勧めします。

この記事のまとめ

今回は、Google アナリティクス4について気になってはいるものの、まだよく知らないという方に向けて、GAとの違いやGA4を導入すべき時期、使うべきポイントについて解説してきました。
Google アナリティクスの最新バージョンという位置付けながら、もはや全く別物の解析ツールと言ってもいいGA4。
ユーザーを中心に考えた測定が可能になり、デバイスやアプリをまたいだ行動も正確に把握できるようになっています。
また、機械学習や自動計測機能が強化されて、ユーザー行動をより深く分析できるように進化しています。
GAとGA4とでは、そもそもの開発概念から異なるため、測定値には差が生じます。
GA4を導入するには、GAと同時並行する期間を3 ヶ月程度設けた上で、本格的に移行することが望ましいです。
ぜひ余裕をもって十分に慣れてから、Googleアナリティクス4に移行することをお勧めします。